- 海外にいるけど生卵が食べたくて悶絶している
- 生食用の卵を買うのって…お高いんでしょう?
- No TKG, No LIFE.
海外生活が長くなると、卵かけご飯が食べたくなるのは、日本人あるあるのはず。
筆者もアメリカでどうしても卵かけごはん(TKG)が食べたくなったので、検索しまくった結果、辿り着いた自宅でできる生卵を安全に食べる対策について紹介します!
ずぼらなので、いかに”気軽に”生卵を食べられるようにするかをとにかく意識しました!
アメリカの生卵って食べられるの?
アメリカに住んでいると(旅行していても?)ある日沸く疑問。
「アメリカで生卵で食べていいのか」問題。
タマゴはスーパーで普通に売ってはいる。が、まわりで生卵を食すアメリカ人は見たことはない。
アメリカ食品医薬局(FDA)の見解では、「サルモネラ菌感染防止のため卵は黄身が固くなるまで調理してから食す」ことを推奨しています。
つまり、一般的にアメリカでタマゴを生で食べることは言語道断。
でも大丈夫、生卵ラバーの日本人たちよ。
アメリカでも(ほぼ)生タマゴを楽しむ方法があるんです。
肝心の青いタマゴと映えない究極の贅沢めしの画像添付し忘れた🤣
— からし🍢アメリカ駐在妻 (@america_chuzai) August 6, 2024
ぷるっぷるやぞ! https://t.co/wfnnNsOls1 pic.twitter.com/J3Trneu1YF
【結論】アメリカの卵かけごはん準備は、お湯を注ぐだけ
色々調べて私が編み出したアメリカで生食用じゃない卵を生でいただく方法、それはなるべく新鮮なタマゴを買ってきて割る前にお湯をかけて1分待つだけ、です!
生食用に殺菌された卵を買ってくる、スロークッカーで低温調理する、等々他にも方法はあります。
が、食べる直前にお湯をかけるのが一番リスクとラクさのバランスが良いです!
アメリカでも生卵を使いたい(ティラミスカルボナーラ卵かけご飯🧑🍳)でも何かあったときの医療費酷いし研究者・元医者としてリスクも知ってるし…のせめぎ合いの結果、沸騰したお湯に生卵を入れて1−1.5分表面を殺菌する(卵内部のサルモネラ等リスクは日本と同等と仮定)ことで快適生卵生活を謳歌中です🥚
— tattatyyy △○×□ 🎮 (@TATTATyyy) January 10, 2024
特別な道具を準備することなくお湯だけでできるこの方法で生卵を楽しんでいます!
え?お湯かけるだけだと消毒しきれていないのでは?と思ったそこのアナタ。
なぜこの結論に至ったか、本当に安全なのか検証した結果をしたためたので、この記事をぜひ最後まで読んでみてください!
\個人的にたまごかけごはんには味の素(+醤油)が必須だと思っているんですが、アメリカでも味の素がAmazonで売ってるって知ってました?/
そもそもなんでアメリカでは生卵を食べられないと言われるのか
日本にいたときから、アメリカを含め、海外では生卵を食べられない、という認識をもっている方は多いのではないでしょうか?
私も、なんとなく漠然と、海外で生卵は食べちゃダメ、という認識でした。
でもなぜナマタマゴ、食べちゃだめなんでしょうか?
サルモネラ菌感染のリスクがあるから
生卵には、サルモネラ菌が付着していることがあり、この菌を一定量取り込むと感染型食中毒を引き起こすのです。
症状が出るのは感染してから約12-72時間後、下痢・嘔吐・発熱などの症状は4日間から7日間ほど続くと言われています。
このサルモネラ菌による食中毒、サルモネラ症は世界中で下痢を引き起こす最も多い原因の一つであり、症状は軽度なら軽い下痢程度ですが、重症になると腸チフスなどの合併症を引き起こすこともあるそうです。
アメリカの生卵
— ジェスロモバイル🇺🇸【公式】 (@JethroJapan) March 5, 2024
アメリカでは、生卵や半熟卵を食べる際には注意が必要です。これらにはサルモネラなどの細菌が含まれ、細菌感染症を引き起こすリスクがあります。また、アメリカでは、生食用として「Pasteurized」(低温殺菌)と表示された卵が販売されています。 pic.twitter.com/zDWnOvOT0A
なかなか病院にかかるハードルが高いアメリカでの食中毒は出来れば避けたいですよね…
根本の原因は、鶏の身体の構造
でもこのサルモネラ菌、ごく一般的に存在する菌でアメリカだけに存在するわけではありません。
サルモネラはヒトや動物の腸内に存在しているのですが、そもそもなんで生卵にサルモネラ菌が混入するかというと、鶏の身体の構造に起因します。
鶏のタマゴは、総排出腔という器官から出てきます。そしてこの器官、その名の通り、卵だけでなく、直腸・排尿口の役割も担っているのです。
つまり平たくいうと、うんちもおしっこも出てくるところから卵が出てくるので、どうしても腸内に存在するサルモネラ菌が付着しやすいということなんです!
つまりタマゴのサルモネラ感染リスクは、鶏の身体の構造上、世界中どこのタマゴにもあるリスクということですね…
サルモネラ感染にはオンエッグ型とインエッグ型がある
さらにこのサルモネラ菌、タマゴの殻につく通称オンエッグ型と、タマゴの殻が形成される前に中身がサルモネラに感染してしまうインエッグ型があるとのこと。
オンエッグ型は前述の通り、タマゴが体外に出る過程や出た後の糞尿の接触などから殻が汚染されますが、インエッグ型は、タマゴが完全に出来上がる前に体内で感染してしまうということ。
タマゴ内部に侵入してしまったサルモネラ菌の殺菌は加熱一択になってしまう=つまり低温殺菌以外の方法で生タマゴで楽しめないということ…
ただ農林水産省のデータによると、タマゴの中身がサルモネラ菌に汚染されている確率は0.0027%!
日本国内のデータはありますが、かなーり低い確率ですね。
オンエッグ型と比較して、インエッグ型でのタマゴのサルモネラ菌汚染を心配する必要はあまりないようですね。
【メモ】
サルモネラは外殻(オンエッグ)だけじゃなくて
低確率(日本の場合は1万個に2〜3個くらいと言われている)ながら内部汚染(インエッグ)もある
食中毒の原因は主にこちら(無洗卵の場合外殻要因もあり得る)内部汚染がされた卵のうち
常温保存などで菌数を増やした物が発症するといわれる↓— HAL 韓国にいる (@HAL87350031) April 10, 2022
なぜ日本の卵は生で食べられるのか
ではなぜ日本では当たり前のように生卵が食べられるのか
それはやはり生食前提の製造・流通経路が確保されているからのようです。
表面を消毒しているから
日本で生卵を食べられる理由のひとつめは、タマゴの表面を消毒しているから。
殻に付着しているオンエッグ型のサルモネラ菌の対策に、あらかじめ流通時に殻を洗浄・消毒していることが多いようです。
卵の殻には元々細菌の侵入を防ぐ「クチクラ」と呼ばれる薄い膜がついている。
それなのに鶏卵産業では出荷前に卵を洗浄してクチクラを落とし、消毒剤を散布している。
卵を洗浄しない欧州では、サルモネラ菌感染予防のため、雛鳥にワクチンを打つ…😩https://t.co/SjRLwfbbcr pic.twitter.com/kLkItFpuy1— ユー子@カンジダ情報発信中 (@yuko_candida) April 5, 2024
生食前提の賞味期限設定
日本で生卵を食べられる理由のふたつめは、生食前提の賞味期限が設定されているから。
アメリカのスーパーでタマゴを買うと、賞味期限の長さに驚きますが、これはあくまで加熱前提!
日本のスーパーでは、購入時から1週間程度冷蔵保存しても”生”で食べられることを想定して、賞味期限の設定をしているため、その期間内であれば安全に生卵を楽しむことができるようになっています。
そうなのか
日本の卵は生食前提だからね
いつも確実に10日は過ぎている
漬物や乾物は賞味期限気にしたことない
缶詰も10年は余裕 pic.twitter.com/DMJs9bOkd8— 商業写真家 筒井右似六 (@unirock385) June 14, 2023
ワクチンを鶏に接種させている(ただし全てではない)
日本で生卵を食べられる理由のみっつめは、鶏にワクチンを接種させていることもあるから。
サルモネラ菌感染を防ぐため、ワクチン接種を実施している養鶏場もあるようです。
アメリカで生タマゴを食べる対策5選
では、生食前提での生産・流通経路ではないアメリカのタマゴを生食するにあたって、個人でできることはどんなことか、まとめてみました。
アメリカで生卵を楽しむためのヒントは、オーガニックな、いつ採れたかわかる新鮮なタマゴを選んで、低温殺菌かお湯で殺菌を心掛けること!
それぞれ詳しく説明していきます。
\卵焼きもアメリカで恋しくなる定番お手軽和食。日本の卵焼き機もAmazonで買えます/
<5位>なるべくオーガニックなタマゴを選ぶ(手軽度★★、安全度★)
日本養鶏協会によると、ストレス下にある鶏は免疫力が落ち、サルモネラ菌に感染するリスクが上がるとのこと。
また、効率性重視の養鶏場では、ケージに入れられ身動きの取れない状態でタマゴを生み、糞尿との接触リスクも高くなってしまうため、なるべくケージフリーで、自然に近い形で生んだ卵の方が安全です。
今どきのアメリカのスーパーでは、生卵のパックに鶏の飼育状況が3段階、表示されるようになっている。 pic.twitter.com/oTcdaCA4jo
— macksoneh (@macksoneh) January 17, 2024
Pasture-raised eggs(放牧で育てられた鶏が生んだタマゴ)は割とどこのスーパーでも売っていています!
<4位>いつ採れたかが分かるタマゴを選ぶ(手軽度★★、安全度★)
さらにオススメなのが、いつ採れたのか分かるタマゴを買ってくること。
時間が立つごとにサルモネラ菌は繁殖している可能性が高いので、なるべくフレッシュなタマゴを選びましょう。採れてから1週間以内を目安に生食が安全です。
新鮮なタマゴは安全なだけでなく本当に黄身が濃厚で美味しいです。
もし近所にタマゴの直売所などがあればぜひ試してみることをオススメします!
<3位>低温殺菌されたタマゴを買ってくる(手軽度★、安全度★★★)
シーザーサラダのドレッシングやティラミスなど、アメリカで一般的なレシピでも生卵が使われることがあります。
そんなときにFDAも推奨しているのが、低温殺菌されたタマゴを使用することです。
米国ではこのブランドなら生卵OK
— Badger (@AkaTheBadger) September 4, 2022
ホールフーズやゲルソン、あとよく日系スーパー(ミツワ以外)に置いてある。*本文中ホールフーズには置いてない所もあるらしいがトーランスでは置いてある。 pic.twitter.com/TYGkecIzK1
低温殺菌されたタマゴは”Pasteurized(低温殺菌された) eggs”として売られていますが、前述の”Pasture raised(放牧された)eggs”と間違えないよう注意です!
生食用に殺菌された、Pasteurized eggs、一番確実な方法なのですが、難点が一つ。
お住まいのエリアによっては全然売っているのを見かけないんですよね…我が家の回りでもとんと見ないので(Pasture risedはどこでもあるんですけどね)他の方法で生卵を楽しんでます。
初めてpasteurized eggみた!!pasture-raisedじゃないよ!生で食べれるやつー!!!初めてアメリカのスーパーでみた🥺🥺🥺 pic.twitter.com/WmW2mBo0KX
— おもち🇺🇸アメリカ生活3年目 (@MochiWashington) January 22, 2022
<参考>アメリカで販売されているタマゴの種類
アメリカで販売されているタマゴは実は色んな種類があります。
鶏の飼育状況によって記載も違い、値段も違います。
一般的に価格が安い順に並べると以下の通り。
- Cage-Free…鶏小屋で育った鶏の卵
- Free-Range…外に出られる環境で育った鶏の卵
- Pastured/Pasture-Raised…放牧された鶏の卵
- Pasteurized…低温殺菌された卵
買ってきてすぐ生卵として食すなら低温殺菌されたPasteurizedの卵がベスト(ただしあんまり売ってない)
Cage Freeと Free-Rangeは一見違うように見えますが、鶏がぎゅうぎゅう詰めにされて身動きが取れないという点ではあまり環境に違いはないようです。
動物愛護的な観点、またストレスが少ない環境下の鶏の方が病気を持っているリスクが低いという点からも、Pasturedの卵をオススメします。(その分お値段高いんですけどねー…)
↓こちらのサイトにFDAの見解が載ってました(英語)
<2位>スロークッカー(インスタントポッド)で低温消毒(手軽度★、安全度★★★)
あらかじめ低温殺菌されたタマゴが売ってないんなら自宅で低温殺菌すればいいじゃない!というがこちらの方法。
サルモネラ菌が死滅するけれど、白身は固まらないそんなぎりぎりの温度設定、65℃あたりにスロークッカーを設定し5分程度タマゴをゆでると、低温殺菌されたタマゴが出来上がるそうです。
アメリカで有名な調理器具、インスタントポッドの低温調理モードでも簡単に低温殺菌できるそうです。
インスタントポッドなら、低温調理モードがついているUltraがおすすめだそう!
これならオンエッグ型だけでなく、インエッグ型の殺菌もできるから自宅でできる対策の中では一番安全なんですかね…?
ただ、我が家にはホットクックがあるので、スロークッカーやインスタントポッドの導入予定はなく、この選択ができないのが残念…
(仮にスロークッカーがあっても性格的にめんどくさがってやらないと思います…笑)
<1位>お湯に短時間浸す(手軽度★★★、安全度★★)
サルモネラ菌は、70℃で1分加熱すれば死滅すると言われています。
つまり、沸騰したお湯の中にタマゴを漬けることで殻に付着しているサルモネラ菌は死滅するはず!
我が家では、食べる直前にマグカップにタマゴを入れて、完全にタマゴが浸かるように沸騰したお湯を入れて1分待ちます。
白身が少々固まりますが、TKGや納豆ご飯に使用する分には、味に大きな影響はありません!
中身まで熱が完全に浸透するわけではないのでインエッグ型は防ぎきれませんが、前述の通りインエッグ型のサルモネラ菌汚染率は0.003%…
さらに、日卵協のHPによると、仮にサルモネラ菌に汚染されていたとしても、菌数はたまご1個当り数個程度であり、常温でも一定期間内は繁殖することはないので、食中毒の起こる心配はないとのこと。
よって確率を確率を考慮して手軽なこの方法を選択しています。
※リスクと手間を天秤にかけこの方法を採用していますがリスクゼロではないので、自己責任でお願いします
\たまごかけごはんに万能ねぎをささっと入れたいときは、フリーズドライのネギが楽ちんです。生のネギ、たまに買うんですが使い切れずすぐダメにしちゃうんですよね…/
日系スーパー(ミツワなど)で売られている日本の卵なら生で食べられる?
大きな町だとアメリカでも日系スーパーなどで日本の卵が手に入ることがあります。
我が家の近所の日系スーパーでも日本の卵は売られています…が、「生食はお控えください」の文字が…(TT)
ミツワなどの大き目の日系スーパーでは生卵OKの日本の卵も売られているらしい!
ミツワNJ
— ひな🇺🇸英語力0 (@hina_usa0) October 21, 2022
これは卵かけご飯を食えとの
お告げかもしれないよ pic.twitter.com/xBC0qMIKQp
でも高いんですよね。。
やっぱり上で紹介した、「お湯かけて待つ方法」でお手軽にアメリカの卵を楽しむ方がコスパは最強だと思います。
\それでも怖くて挑戦できないYO!というチキンな貴方に/
究極のお土産!?日本から「生たまご」を手土産に!?
ブログ仲間であり元駐在員であるマーカスさんからうかがった衝撃的なお話…!
海外の生たまご難民を救うべく、過去日本からのお土産として生たまごを手土産にしたことがあるのだとか!
詳細が気になる方は以下記事をチェック↓
飛行機の持ち込みルール確認や腐ったり割れたりしないような配慮など、きっとたくさんの障壁があったはず…
もしこんな手の込んだお土産をいただいたら、生卵を食べられる嬉しさ以上にそこまでしてくれた気遣いに嬉しくなっちゃいます♪
あとがき
みなさん、海外にいて一番食べたいと思う和食はなんですか?
私の場合、ズバリ卵かけごはん、TKGです!タマゴとご飯、お醤油があればささっと食べられちゃうのにいつ食べても美味しい、万能で最強の”和食”だと思うんですよね~(個人の感想です笑)
でもアメリカは生卵を食べる文化がなく、売られている卵は生食前提ではありません。
つまり、たまごかけごはんが気軽に食べられないのです…
卵は冷蔵庫に常備されているのにたまごかけごはんが食べられない…そんなTKGなしの生活に耐えられなくなったので、色々周りに聞いたり検索しまくった結果、いきついたナマタマゴをアメリカでも比較的安全に、そして手軽に楽しむ方法についてご紹介しました!
結論:タマゴ割る前にお湯に漬けて1分待てば自己責任TKGのできあがり!!
どなたかの参考になったのなら幸いです!
ではまたっ
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